シリンダー温度計


※ 当初、1号シリンダ温度計には導管の長さにより、1型:3m、2型:6m、9m、12mの3種、3型:18mに区分されていた。
※ 2号シリンダ温度計は、1型の3mのものだけであったが、新規採用双発機に取り付けるため2型・3型が存在した可能性は高い。
※ シリンダ温度計は、昭和20年4月に計器名称を統合され、単針は1号シリンダ温度計2型、双針は2号シリンダ温度計2型を残すのみとなり
 導管の長さにより、それぞれ3m、6m、9m、12mのものが4種類存在した。

 

昭和11年内令兵第42号別冊「海軍航空機用計器装備標準」
昭和13年9月26日内令兵第45号改正
シリンダ−温度計123型には、16年5月、17年7月の製造年がある。
海軍では、早期からシリンダ温度計を取り付けていた。94式水偵も標準装備されていた。
陸軍では少し遅れ97式重爆あたりから標準装備されている。
シリンダ温度計は正式にはシリンダ−温度計指示器123型、1号シリンダ−温度計指示器1等だが、ここでは「指示器」を省略し、説明する。
陸軍は気筒温度計と呼び、海軍は筒温計と呼んでいた。


昭和14年 昭和16年5月〜 昭和18年? 20年4月2日〜 使 用 機 種
名 称 線長 名 称 線長 名 称 線長 名 称 線長
筒温計123型 5m
12m
18m
筒温計  4型 25m
名 称 線長 名 称 線長 名 称 線長
1号シリンダ−温度計1型 5m 1号シリンダ−温度計1型 3m 1号シリンダ−温度計2型 3m 零戦、雷電、紫電・紫電改、
彗星(空冷)、天山、流星

99艦爆、零観、零水偵、
瑞雲、烈風、震電
1号シリンダ−温度計2型 12m 1号シリンダ−温度計2型 6m 6m 零練戦
9m 9m 零式輸
12m 12m 1式陸攻
1号シリンダ−温度計3型 18m 1号シリンダ−温度計3型 18m 18m
1号シリンダ−温度計4型 25m 廃止か? 記述なし(廃止か?)
2号シリンダ−温度計1型 3m 2号シリンダ−温度計2型 3m
2号シリンダ−温度計2型 6m 6m 銀河、極光
2号シリンダ−温度計3型 9m 9m 東海
2号シリンダ−温度計4型 12m 12m
2号シリンダ−温度計5型 18m 18m 連山
※ 概ね隔年毎の名称の改正となっており、その変化を一表にまとめたものです。これだけ変化があると、さぞや現場(整備員等)サイドでは、混乱したに違いない。
※ 青字は、推定で記入している。しかし、20年4月に1号シリンダ−温度計2型に導管長3〜18mがあるということは、その長さが以前からあったと言うことにならないか?
※ 1号シリンダ−温度計は一つの発動機毎に1個使用する単針計器、2号シリンダ−温度計は双発動機用の双針計器として使用された。
※ 1号シリンダ温度計1型・2型・3型・4型は計器本体は同じもので、受感部までの導管線の長の違いとなっている。
※ 昭和18年頃採用された、2号シリンダー温度計には1型だけはでなく、おそらく2型以降の型も存在した可能性が高い。
 2号シリンダ−温度計1型(線長3m)は、何の機種に取り付けようとしたのだろうか。3mと言えば単発飛行機となるのだが、まさか試作機の景雲か?