総 合 計 器
誕生の経緯

※ 疲労の軽減
   航空機に装備される計器は年々その数を増し、大型機ともなるとその数は50個以上にもなる。
  操縦手はこの雑多の計器を常に監視して続けるため、精神的緊張による疲労は大きい。
  できるだけ計器を一カ所に総合することにより、楽に判読できるようにすることが望ましい。

※ 容積・重量の軽減
  
計器を総合することにより計器板の面積・重量が軽減できる等の利点がある。
  4発機の場合では、従来の計器配列より面積・重量が1/5程度に軽減できる。
注1 一般に言う旋回計は、旋回指示と横辷(横滑)指示の2つの計器を総合した計器のことである。
    ここでは単に旋回計として表示している。

注2 下記の計器の一部は図案からの作画で、実際に使用された物と異なる場合がある。
使用計器:方位指示計、縦傾斜計、横傾斜計
考 案 者:
ゲルト・ツオエジ(独アスカニア社)
特許番号:
昭和15年実用新案第17736號
使用機種:
不明
備   考:
※ 上部は方位指示計
※ 中央は縦傾斜計
※ 左右は横傾斜計
使用計器:速度計、昇降計、旋回計
考 案 者:
宮本藤雄(東京航空計器社)
特許番号:
昭和16年実用新案第13733號
使用機種:
不明
備   考:
※ 上・下部は旋回計
※ 左側は速度計
※ 右側は昇降計
使用計器:速度計、昇降計、高度計
考 案 者:
宮本藤雄(東京航空計器社)
特許番号:
昭和17年実用新案第1707號
使用機種:
不明
備   考:
※ 左から速度計、昇降計、高度計の順
※ この種の縦型計器は現在の航空機用計器に受け継がれている。
使用計器:羅針儀、水平儀、旋回計
考 案 者:
不明(日本)
特許番号:
98463號
使用機種:
不明
備   考:
※ 上部は羅針儀
※ 中央は水平儀
※ 下部は旋回計
使用計器:速度計、昇降計
考 案 者:
フーベルト・ローレンツ(独アスカニア社)
特許番号:
138770號
使用機種:
備   考:
※ 左側は速度計
※ 右側は昇降計

※ 単位は速度計km/h、昇降計m/s
使用計器:速度計、昇降計、旋回計
考 案 者:
不明(日本)
特許番号:
使用機種:
不明
備   考:
※ この計器の光源は電球で、投影表示する方法を採用している。
※ 太い縦線は旋回計で線が左右に振れることにより読みとる。
※ 太い横線は昇降計で上下に移動し、左側の目盛で読む。
※ 太い円は速度計、円を拡大・縮小し目盛で速度を読みとる。

※ その他に光源としてブラウン管を使うことも考えられていた。
使用計器:油温計、油圧計、燃圧計
考 案 者:
米Kollsman社
特許番号:
使用機種:
P−35A等
備   考:
1930代
  日本では輸入機2PA−B3Sにも取り付けられていたため、早い時期にその存在を
確認していた。
使用計器:油温計、油圧計、燃圧計
考 案 者:
特許番号:
使用機種:
彩雲、銀河、景雲等
備   考:
空技廠15試圧温計
※ 上部は油温計
※ 左側は油圧計
※ 右側は燃圧計
使用計器:制動装置圧力計、滑油圧力計×2?
考 案 者:
品川製作所
特許番号:
使用機種:
不明
陸軍機に採用
備   考:
制動装置圧力計、左右は滑油圧力計
※ 最近、この計器は圧力計ではなく燃料計ではないかとの疑問が生じた。
   米国に似たような燃料計が存在するのを発見した。
現在調査中